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第37回いばらきのくすり展

「こども調剤体験コーナー2015」を開催して

「こども調剤体験コーナー」の写真

 

「薬と健康の週間」イベントの一環として「いばらきのくすり展」 がイオンモール水戸内原店で平成27年10月17日(土)~ 18日(日)に開催されました。会場では医薬品や医薬部外品、化粧品、医療機器の展示や薬の相談コーナーの開設、こども理科教室、薬に関するクイズラリーなどが行われました。さらに薬事功労者の表彰や中学生を対象に「医薬品の正しい使い方」をテーマに募集したポスターの入賞作品の掲示と表彰式も行われました。 
茨城県病院薬剤師会は薬や薬剤師に関しての正しい知識を一般の方々に持ってもらうために、毎年このイベントに参加しており、平成20年(2008年)から「調剤体験コーナー」を企画しています。今年で8年目。自動錠剤散剤分包機を持ち込み、小中学生を対象に、色や形の違うラムネやチョコなどを薬に見立てて処方箋に沿って調剤する体験をしてもらっています。そして作ったお薬(お菓子)とその服薬説明書の印刷された薬袋をプレゼントしています。更に、子供お薬手帳を作成してプレゼント、お薬手帳の必要性と重要性を家族全員にインフォメーションしています。また、グレープフルーツジュースと牛乳を使った注射薬の配合変化の実験をみせる「科学で医療を支える病院薬剤師」のコーナー、そして「今年は検査値って、どう使ったらいいの?」などの大人も満足する体験も加わり家族みんなで楽しめるコーナーになっています。服薬指導体験コーナーでは、患者さんに適切な医療を提供するために行っている病院薬剤師の仕事内容を、日本病院薬剤師会が作成したパンフレットを使って説明しています。
この企画は、病院薬剤師の仕事を広く一般の方々に知ってもらおうという目的で始めましたが、発案者の考えを通り越して思わぬ方向に進化しています。新鮮さを欠いてきたら止めようとコアスタッフとは開始当初から相談していましたが、年に一度の企画であるにもかかわらずリピーターが多く、ふしぎに色あせません。参加者の子供たちを駆り立てるものは何なのか?原因は薬剤師の仕事がそれほど魅力的でステキなものなのだと思うようになりました。「灯台下暗し」です。初めてスタッフとして参加してくれた薬剤師さんたちが、当日限りで初対面の子供たちに教えます。はじめはぎくしゃくしていますが次第に気合が入りだします。一期一会の出会いでわずか十数分の時間の中でその子たちやご両親の心をつかみ薬剤師に対する理解をつかみ取ります。普段の業務の中では気が付かない自分たち薬剤師の事、業務の事、自分たちが何をしているのかをイベントという状態が気づかせてくれるのだとわかりました。責任者の私の役割は朝一番でこう指示するだけです。「薬剤師の業務をこどもたちに体験させて説明してください。いつもの業務の中で考えている事や、自分の思い入れをどうぞこの場で自由に吐き出して頂いて結構です。」「内容に関して一切文句や注文は付けません」と。一日を終えて、スタッフの薬剤師たちは、自分の変化に気が付きます。自分のしている仕事の意義、素晴らしさ、問題点、足りないところ、目標等。そして翌日から自分の施設に戻り仕事に戻りますが、今までと業務の見え方が違ってきたなどと聞きます。このプロジェクトは、薬剤師研修のイベントだなと思う今日この頃です。最近は、新人薬剤師さんの教育にこのイベントを利用する薬剤部長さんも多くなりました。
 毎年、家族連れが多く、子供よりも親のほうが夢中になる場面も見受けられ、盛況な企画となっています。参加者からは、「全然知らなかった!」「病院薬剤師ってすごいですね」「頑張ってください」など激励の言葉も頂きました。今では秋になるとどこで開催されるのか調べてわざわざおいで下さる母子のリピーターや、薬学部の学生のなかには、この体験がきっかけで薬剤師を目指したという学生まで現れています。
我々が手作りで行っている薬剤師の体験コーナーの企画は、「顔の見える薬剤師」のイベントとして確実に成長を続けています。是非、今後も会員の皆様のアイディアをお寄せいただければ幸いです。

調剤体験

参加者:1日目 大人63人 子供60人  計123人 スタッフ9人
    2日目 大人78人 子供107人 計185人 スタッフ10人
    合計308人           
              2016年 2月8日
              茨城県病院薬剤師会
              学術部  くすり展担当  新井 克明